現場の手引き | 無料
足場が架かってから行う下地調査は、補修数量と工法を決め、精算の根拠になる大事な工程です。調査そのものより「記録の仕方」で後の手間が決まります。ここでは準備から数量集計までの流れを順にまとめました。
つまり、調査の成果物は「記号を置いた図面」「数量表」「写真」の3つで、この3つが番号や記号でつながっていることが品質です。
| 種類 | 内容 |
|---|---|
| 図面 | 立面図(面ごと)、必要なら平面図・屋上伏図。縮尺が入っているもの(長さ・面積を図面から出すため)。コピーまたはタブレットに入れた PDF。 |
| 凡例 | 項目ごとの記号・色・単位を 1 枚にまとめて、調査する全員で共有する。見本集をたたき台に、見積の項目名と同じ名前にする。 |
| 道具 | 打診棒(テストハンマー)、クラックスケール、マーキング用のチョーク・スプレー(色は凡例と合わせる)、巻尺、カメラ(またはタブレット)、記録用の筆記具。 |
| 調査票・集計表 | 面ごとに数量を書き込む表。補修数量集計表のテンプレートの項目を凡例と合わせておく。 |
南面 1 階から、のように面ごと・階ごとに進めます。足場の層(段)に合わせて横に進むのが効率的で、記録も「南面 3 層」のように位置が言いやすくなります。
ひび割れは目視とクラックスケールで幅を測り、浮きは打診棒で叩いて範囲を確認し、現物に凡例と同じ色でマーキングします。マーキングは、補修する職人さんへの指示でもあり、是正・精算のときに「ここだった」と確認する印でもあります。
マーキングした位置を、図面に凡例どおりの記号で記入します。写真は「面と階が分かる引き」と「寄り」の 2 枚。図面の記号と写真が結び付くよう、番号を付けるか、撮った順番を面・階ごとに記録しておきます。
1 面終わったら、その面の数量を集計表に入れます。全部終わってからまとめて数えると、記号の見落としや二重数えが起きやすい。面ごとに締めると、見積の想定数量との差もその日に分かります。
想定より浮きが多い、爆裂が多いなどは、全面終わる前に監理者・お客様に一報を入れると、工法変更や予算の相談が間に合います。
線(m)・面(m²)・点(箇所・穴・枚)を形で分け、工法や幅の区分を色で分ける。白黒コピーされることもあるので、同じ形は線種(実線・破線・波線)でも区別する。
調査の数量をそのまま見積・精算の数量に写せるようにしておく。項目名も「クラック」と「ひび割れ」のような揺れを最初に 1 つに決める。
番号札を写し込む、面・階ごとにフォルダを分ける、または図面の記号を押してから撮る仕組みにする。あとから「この写真はどこ?」を探す時間は、調査そのものより長くなります。
マーキングと図面の記号の数が合っているか、面ごとに確認する。翌日に持ち越すと、記憶が薄れて確認できなくなります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 調査の概要 | 調査日・範囲・方法(目視・打診)・調査者。 |
| 面ごとの図面 | 記号を置いた立面図。凡例を同じページに入れる。 |
| 数量表 | 面ごとの数量と合計。見積の想定数量との増減を並べる。 |
| 写真帳 | 代表的な劣化と、増減の大きい項目の写真。図面の記号・番号と対応させる。 |
| 工法の提案・所見 | 幅や位置から決めた工法、追加で必要な処理(防錆など)、注意が必要な箇所。 |
数量の数え方・換算のルールは 下地補修の数量の拾い方 にまとめています。
Marky(マーキー)は、立面図に記号を置くだけで、記号ごとの数量(m・m²・箇所・穴・枚)を自動で集計し、面ごとの数量表と明細を Excel に出す現場向けのアプリです。タイルの曲り・マグサの換算(例:曲り×2)も記号ごとに設定できます。