Marky

現場の手引き | 無料

下地補修の数量の拾い方

下地補修の数量は「記号・単位・換算」の3つを最初に決めておけば、誰が拾っても同じ数になります。ここでは項目ごとの数え方と、調査から精算までを一本の数量表でつなぐ方法をまとめました。

最終更新 2026/10/29読む目安 約8分書いた人:施工管理の経験をもとに Marky を作っている開発者

最初に決める3つ:記号・単位・換算

工法の境目(ひび割れ幅など)やピンの本数は、設計図書・特記仕様書の指定が最優先です。下に書く数値は公共建築改修工事標準仕様書などで一般に使われている目安で、版や物件で異なります。

見本の Excel をメールで受け取る(無料)

数量表・箇所ごとの明細・是正写真帳の見本(Excel)と、社内説明用の A4 2枚を送ります。登録はメールアドレスだけ。

項目ごとの数え方

項目単位数え方・ポイント
ひび割れ(クラック)m幅で工法が変わるので、幅の区分ごとに別の記号にする(例:0.2mm 未満はシール工法、0.2〜1.0mm は樹脂注入、1.0mm 超や挙動のあるものは U カットシール充填、といった区分が一般的)。長さは図面の縮尺から出せるが、調査時にクラックスケールで幅を測り、長さは実測かマーキングの長さで確認する。斜めのひび割れは水平・垂直でなく実長で。
モルタル・タイルの浮きm² → 穴(本)打診で範囲をマーキングし、面積(m²)で拾う。精算はアンカーピンの本数になることが多く、標準仕様書では特記がなければ一般部分 16 本/m²、見上げ面・ひさしの鼻・まぐさ隅角部などの指定部分 25 本/m² が目安。面積から本数へ換算するので、面積と本数の両方を数量表に残す。
欠損・爆裂箇所大きさで区分する(例:小=100×100 以下、大=200×200 程度、それ以上は面積で)。爆裂は鉄筋の露出・錆の有無も記録しておくと、工法(防錆処理の要否)がすぐ決まる。
塗膜の浮き・剥がれm²範囲を面で囲む。小さいものは「箇所」で数えて 1 箇所あたりの面積を決める方法もあるが、精算単位に合わせる。
シーリングm打替え・増し打ちを分ける。サッシ回りは「1 か所あたりの周長」を決めて箇所数×周長で出すと早い。
タイルの浮き(注入)穴タイル 1 枚ごとに 1 穴、または面積→本数の換算。張替えは「枚」。下の換算を参照。

タイルの換算(平・曲り・マグサ・BOX)

タイルは同じ「1 枚」でも手間が違うため、役物(曲り・マグサ・BOX など)を平タイル何枚分と見るかを決めて数量表に載せます。会社や物件で倍率は違いますが、たとえば次のような決め方です。

種類数え方換算の例
平枚×1(基準)
曲り(出隅の役物)個×2 枚相当(2 面を持つため)
マグサ(開口上部)個×2 枚相当
BOX(3 面の役物)個×3 枚相当
例:ヘアクラックの張替えが「平 12 枚・曲り 3 個・マグサ 2 個・BOX 1 個」なら、換算後は 12 + 6 + 4 + 3 = 25 枚相当。数量表には個数と換算後の枚数の両方を出し、倍率を表の注記に書いておくと、精算時に「どう数えたか」で揉めません。

浮きの注入は「穴」で数え、張替え(枚)とは別の記号にします。同じ場所に注入と張替えが混ざる場合は、記号の色を変えると図面上で区別できます。

数量表の作り方(面ごと → 合計 → 金額)

  1. 立面図を面ごとに分ける(南・北・東・西・屋上・共用部など)。面ごとに記号を置いた図面を 1 枚ずつ作る。
  2. 面ごとの数量表:行=項目(記号)、列=面。単位は項目ごと。
  3. 合計:面を横に足した合計。ここが見積・精算の内訳の数量になる。
  4. 金額:合計 × 単価。調査段階では概算、精算では実施数量に置き換える。

この形の Excel は 無料テンプレート(補修数量集計表)として配っています。項目・単位は自社の凡例に合わせて書き換えられます。

手で拾う場合は、記号を数えるのに時間がかかり、数え漏れ・二重数えも起きます。図面に置いた記号から数量が自動で出る仕組みなら、「数える」作業そのものがなくなり、面ごとの数量表と 1 箇所ずつの明細(どの記号が何番目に何 m か)まで一度に出ます。

精算で揉めないコツ

1. 調査時の数量と実施数量を、同じ表の別の列に残す

大規模修繕では調査時の数量が実施で増減します。調査→実施の列を並べておくと、増減の説明が一目で済みます。

2. 記号 1 つずつの明細を出せるようにしておく

「南面 モルタル注入 17 穴」の合計だけでなく、「4 穴・3 穴・10 穴」の内訳と位置(図面の番号)があると、お客様・監理者の確認が現地で終わります。

3. 写真は「面と階が分かる引き」+「寄り」

記号の位置と写真が結び付いていれば、数量の根拠として十分です。全箇所の寄り写真だけ何百枚あっても、どこか分からなければ根拠になりません。

4. 換算の倍率・工法の区分を表の注記に書く

倍率や区分は会社や物件で違うので、表に書いてあれば後から来た人も同じ基準で拾えます。

見本の Excel と資料を、メールで受け取る

この手引きの内容を実際の Excel で見たい方へ。数量表・箇所ごとの明細・是正写真帳の見本(Excel)と、社内説明用の A4 2枚(PDF)をメールでお送りします。2営業日以内に運営者が手で送ります。売り込みのメールは送りません。

この作業を図面の上で済ませるなら

Marky(マーキー)は、立面図に記号を置くだけで、記号ごとの数量(m・m²・箇所・穴・枚)を自動で集計し、面ごとの数量表と明細を Excel に出す現場向けのアプリです。タイルの曲り・マグサの換算(例:曲り×2)も記号ごとに設定できます。

補修図・検査図の凡例(記号)見本集下地補修・タイル・塗装・防水の記号の形・色・単位の例。開く →大規模修繕の下地調査の進め方準備・打診・マーキング・記録・図面化までの流れ。開く →

現場の手引きの一覧 | 無料テンプレート(Excel)