現場の手引き | 無料
下地補修の数量は「記号・単位・換算」の3つを最初に決めておけば、誰が拾っても同じ数になります。ここでは項目ごとの数え方と、調査から精算までを一本の数量表でつなぐ方法をまとめました。
| 項目 | 単位 | 数え方・ポイント |
|---|---|---|
| ひび割れ(クラック) | m | 幅で工法が変わるので、幅の区分ごとに別の記号にする(例:0.2mm 未満はシール工法、0.2〜1.0mm は樹脂注入、1.0mm 超や挙動のあるものは U カットシール充填、といった区分が一般的)。長さは図面の縮尺から出せるが、調査時にクラックスケールで幅を測り、長さは実測かマーキングの長さで確認する。斜めのひび割れは水平・垂直でなく実長で。 |
| モルタル・タイルの浮き | m² → 穴(本) | 打診で範囲をマーキングし、面積(m²)で拾う。精算はアンカーピンの本数になることが多く、標準仕様書では特記がなければ一般部分 16 本/m²、見上げ面・ひさしの鼻・まぐさ隅角部などの指定部分 25 本/m² が目安。面積から本数へ換算するので、面積と本数の両方を数量表に残す。 |
| 欠損・爆裂 | 箇所 | 大きさで区分する(例:小=100×100 以下、大=200×200 程度、それ以上は面積で)。爆裂は鉄筋の露出・錆の有無も記録しておくと、工法(防錆処理の要否)がすぐ決まる。 |
| 塗膜の浮き・剥がれ | m² | 範囲を面で囲む。小さいものは「箇所」で数えて 1 箇所あたりの面積を決める方法もあるが、精算単位に合わせる。 |
| シーリング | m | 打替え・増し打ちを分ける。サッシ回りは「1 か所あたりの周長」を決めて箇所数×周長で出すと早い。 |
| タイルの浮き(注入) | 穴 | タイル 1 枚ごとに 1 穴、または面積→本数の換算。張替えは「枚」。下の換算を参照。 |
タイルは同じ「1 枚」でも手間が違うため、役物(曲り・マグサ・BOX など)を平タイル何枚分と見るかを決めて数量表に載せます。会社や物件で倍率は違いますが、たとえば次のような決め方です。
| 種類 | 数え方 | 換算の例 |
|---|---|---|
| 平 | 枚 | ×1(基準) |
| 曲り(出隅の役物) | 個 | ×2 枚相当(2 面を持つため) |
| マグサ(開口上部) | 個 | ×2 枚相当 |
| BOX(3 面の役物) | 個 | ×3 枚相当 |
浮きの注入は「穴」で数え、張替え(枚)とは別の記号にします。同じ場所に注入と張替えが混ざる場合は、記号の色を変えると図面上で区別できます。
この形の Excel は 無料テンプレート(補修数量集計表)として配っています。項目・単位は自社の凡例に合わせて書き換えられます。
手で拾う場合は、記号を数えるのに時間がかかり、数え漏れ・二重数えも起きます。図面に置いた記号から数量が自動で出る仕組みなら、「数える」作業そのものがなくなり、面ごとの数量表と 1 箇所ずつの明細(どの記号が何番目に何 m か)まで一度に出ます。
大規模修繕では調査時の数量が実施で増減します。調査→実施の列を並べておくと、増減の説明が一目で済みます。
「南面 モルタル注入 17 穴」の合計だけでなく、「4 穴・3 穴・10 穴」の内訳と位置(図面の番号)があると、お客様・監理者の確認が現地で終わります。
記号の位置と写真が結び付いていれば、数量の根拠として十分です。全箇所の寄り写真だけ何百枚あっても、どこか分からなければ根拠になりません。
倍率や区分は会社や物件で違うので、表に書いてあれば後から来た人も同じ基準で拾えます。
Marky(マーキー)は、立面図に記号を置くだけで、記号ごとの数量(m・m²・箇所・穴・枚)を自動で集計し、面ごとの数量表と明細を Excel に出す現場向けのアプリです。タイルの曲り・マグサの換算(例:曲り×2)も記号ごとに設定できます。